現在の家計の状況では、マイホームを購入した翌年から貯蓄の残高がマイナスになってしまうとファイナンシャルプランナーに診断されてしまった、伊居名さん。さすがに驚きを隠せない様子でした。しかし、改善策があるとのことで引き続き話を聞くことに…
先程も少しお話しましたが、伊居名さんは現在のライフプランと返済方法を見つめなおすことで、大幅な改善ができると思います。
まず検討が必要なのは返済方法ですね。これまでの返済予定では、「3%固定金利」を利用する予定でしたよね。
ここをまず、「フラット35」という、返済1年目〜10年目は固定金利1.7%・11年目以降は固定金利2.7%との住宅ローンに変更し、頭金を500万円から300万円に減らしてみましょう。
詳細はこちらをご覧ください。 →金利が変わらない住宅ローン フラット35
仰る通りです。しかしここは、意外に皆さん見落としがちなポイントなのでご説明いたしますね。
伊居名さんの場合は、住宅購入後、一番近い将来の大きな買い物と言えば、6年後の自動車の買い替えです。
もし頭金をそのまま500万円とすると、翌年から貯蓄がマイナスの状態になりますよね。その状態では恐らく、車の買い替え時にローンを組むことになるでしょう。
そこで、「車の購入に備えて」頭金を300万円という視点ではいかがでしょう?
頭金を200万円減らす=手元に200万円残る、ということでもありますよね。頭金で残しておいた分を上手く運用するということです。
車の購入は、住宅購入の借り入れ金額に比べると小額のように思えてしまうかもしれませんが、充分高額なお買い物ですしね。
住宅購入後も生活の質を落とさないということを考えた時、これらの出費に対して対策しているか対策していないかで、大きな差が出てきますよ。
また、返済方法や頭金以外に改善した部分は以下(茶色の太字部分)です。
マイホームを年内購入希望 | 総予算3,000万円 (頭金300万円予定) |
教育 | 私立幼稚園3年保育 小中高公立 私立4年制大学(ゆたか:理系/さち:文系) |
自動車買い替え | 6年後に予算150万円 10年毎 |
旅行 | 毎年道内温泉は行きたい / 8年毎にディズニーランドに行きたい |
生活費 | 年間313万円 (生活費+教育費) |
ご主人の定年 | 62歳、今後の収入は60歳時ピークで650万円 定年退職後から64歳まで再雇用制度を利用し 年収240万円 |
生活費の見直し | 外食費・交際費・通信費等で、月18,000円の節約 |
生命保険の見直し | 掛け捨てタイプに変更、9,000円の圧縮 |
パート収入 | すみこ、38歳〜55歳(さち小学校入学〜大学卒業まで) 月70,000円 |
返済方法 | フラット35を利用(1〜10年目1.7%、11年目以降2.7%) |
年間維持費> | 22万円 (固定資産税12万円+修繕用の積み立て10万円) |
返済方法の見直しと、住宅購入時の頭金の変更以外で大きな変更点は、ご主人の定年後の再雇用や、前々回のお話にもあった奥様のパートでの収入ですね。
生命保険の見直しも、契約内容をよく把握せずに保険内容と自分のライフスタイルが合ってらっしゃらない、という方もよく居られますのでこの辺りも見直しすポイントになってくると思います。
ライフプランのちょっとした見直しで、伊居名さんのようにマイホーム取得後の生活も大きく変わってくることもあります。マイホームをお考えの方は、お家プランを考えることと一緒に、家計の見直しもぜひ行っていただきたいですね。
それでは、改善後の貯蓄残高の推移を見てみましょうか。
マイホームはほとんどの方が一生に一度の大きなお買い物ですからね。
ご家族の今後も考えた今までの生活スタイルを維持する、無理の無い計画的な資金計画は本当に大切です。
ある意味、家を建てることは「家族みんなで家計を意識する」と言ってもいいのではないでしょうか。
はい!お役に立てたようで何よりです。伊居名さん、ステキなマイホームを建てられるといいですね。
こちらこそ、ありがとうございました。
監修 / ファイナンシャルプランナー 奥田 和彦
LPPSP-24-02【20260131】