かつてアイヌの人たちは大雪山を『ヌタプカムシペ』、その山上の世界を『カムイミンタラ』と呼んで敬ってきました。北海道の中央にあって2000メートルを超える高峰のほとんどを有し、『母なる川』石狩川や十勝川を抱える『生命のシンボル』として存在しています。 原始境だった大雪山も、近年の様々な開発により自然破壊が急速に進みました。 会の活動は一時、会員1600名を数えるほどに盛り上がり、縦貫道路建設阻止の運動に大きな役割を果たしました。 1975年、パルプ工場による石狩川水銀汚染問題が起きたため、この問題に取り組む「石狩川水銀なくす市民の会」を新たに発足させました。
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代表 : 寺島 一男 略歴 : てらしま・かずお 1944年上川町生まれ。 大雪と石狩の自然を守る会代表・北海道自然保護連合代表 元 北海道旭川工業高等学校教諭・旭川大学非常勤講師・ 旭川市総合開発計画審議会委員・北海道開発局石狩川上 流川づくり懇談会委員 1972年大雪縦貫道問題を契機に自然保護運動に入る。以後、 表大雪循環道路・大規模林業圏開発計画・石狩川水銀汚染 ・士幌高原道路・日高横断道路・知床国有林伐採・リゾート開 発等の問題に取り組む。 現在、大雪山世界遺産登録・石狩川野生のサケ回復・外来種 セイヨウオオマルハナバチの防除等の活動を展開している。 自然保護功労の業績(団体)により、2001年北海道社会貢献 知事表彰・2006年環境大臣表彰を受賞 |
サケは私たちにとってとても大事な食糧資源ですが、同時に川を通じて様々な生き物たちと結びつき、流域に多様で豊かな生態系をつくる重要な役割を果たしています。また、海に集まった栄養塩類を山の森に返すなど、地球の物質循環の大切な一翼を担っています。
サケ本来のこのはたらきを回復しようと、2005年から『石狩川を野生のサケのふるさとに』する活動を開始しました。
野生のサケを復活させることは、石狩川とその流域の豊かな自然を回復させることほかなりません。かつてのように、大雪山を目指して悠々と遡るサケの大群をぜひ甦らせましょう。
世界遺産条約は、地球上のすぐれた自然や文化を、人類の宝(遺産)として後世に残そうという国際条約です。日本の法制度や考え方に欠如している、たくさんのすぐれた理念と枠組み持っています。もちろんいいことずくめではありませんし、世界遺産に登録すればそれでよしでもありません。
しかし、大雪山をよりよい姿で将来に残すためには、大いに生かすべき条約です。大雪山を世界遺産にして、広大な原生林と高山帯、そこに生きる多様な生き物たちを、ぜひまるごと残しましょう。