【12月20日UP】
お子様のいらっしゃる方はすでにご存じだとは思いますが、今一度、子どもの生活の一日の流れを見てみましょう。
これが全てではなく、あくまでも一般的な流れです。
子どもにとっては、食べるか寝るか以外は全て遊びになります。遊びを通して、色々な体験をし、感じ・考え、成長しています。
子どもは『遊びに満足』すれば、お昼寝も、夜もぐっすり眠り、食欲や機嫌も良い状態になります。
この『満足』というのは、遊びの時間の長さや、激しく活動するというよりも、心の(気持ちの)満足だと思います。
1級建築士・福祉住環境コーディネイター・インテリアプランナー・増改築相談員
工藤 美智子
工藤建築設計室
札幌市豊平区月寒3条6丁目
ただ最近は、小さな子どもが犠牲になる、痛ましい事件も多く、子を持つ親としては、外で遊ばせたいが、片時も目が離せないという不安な気持ちになります。
子どもの遊びには、「時間」「空間」「仲間」の三つの「間」が必要だと言われていますが、時代の流れと共にこの三つがどんどん少なくなっています。
私が子どもの時代と、子育てしている今の状況で一番変わったと感じるのは『空間』です。昔は遊び場だった道路は、交通量が多くなり危険な場所になりました。家の廻りで出来た「水遊び」や「おままごと」も、住宅地の整備と共に、めっきり少なくなってしまいました。
葉っぱや花びらをおままごとに使うことも、今ではあまり無いようです。小学校のグラウンドも、放課後や休日に、自由に遊ぶことが出来る場ではなくなってしまい・ワした。
それでも住宅地の公園や団地内公園は、それなりに整備されていますので、お子さんが小さなうちは、是非家事を少し手抜きしてでも、外へ連れ出してあげて下さい。そこで仲間が出来れば良し、出来なくても自分と子どもが一緒に遊んで、太陽の光を浴びて、自然の風をうけて満足できればよいと思います。
●住宅地の公園
これは、日曜日の昼の様子です。親子連れが何組か遊んでいました。
ここは、視界をさえぎるような物がなく、公園内どこにいても全体が見渡せます。
又、周りの住宅とも視界が開け、いつも誰かが見守っているという安心感のある公園です。
●大型団地の公園
これは、平日の夕方4時頃の様子です。近所の小学生が集まって遊んでいました。
広い公園で、遊具のあるコーナーが、5ヶ所ぐらいあり、団地内通路でつながっています。鬼ごっこやかくれん坊など、群れて遊ぶ姿が見られます。
午前中は、幼稚園へ上がる前の小さな子ども達が、午後は幼稚園から帰ってきた子や小中学生が遊んでいます。ベランダから見守ることが可能なため、親は安心して遊ばせることが出来ます。
●郊外の大型公園
休日は家族連れでにぎわっています。自然の中で走りまわり、大声を出し、跳んだりはねたり。子供達の目は、キラキラしています。
親もよい気分転換になり、仕事や家事でもやもやしていた頭の中がすっきり壮快になったようです。近所で自然を楽しむのが難しければ、時には家族でお弁当でも持って、のんびりのびのび、自然を感じることが出来る場所へ出かけてみて下さい。
自然の中から何かを感じる、仲間と群れて遊ぶ中から何かを感じる、ということが『心身共に健やかに育つ』には大切なことです。
子どもと外遊びをする時間を作るには、家事を効率よく済ませ、外へ出かけやすい家の造りを工夫することが必要です。
次回は、
3.住まいを考えるときに大切なこと で、家族と共に成長する家づくりの考え方を掲載します。