【01月18日UP】
住まいは、安全で、安心して過ごすことが出来、家族のコミュニケーションの場です。お互いを理解し合い、思いやる心を育てる大切な場でもあります。又、社会へ巣立っていく我が子を教育(しつける)する場でもあります。
たとえば、生まれて間もない赤ん坊は、夜泣きをすることがあります。
夜泣きで眠れないので、お父さんは別室で寝るという家庭もあるようですが、もし泣き声が全然聞こえない部屋で寝ているとどうでしょう。お父さんは快適に眠れるかもしれませんが、夜泣きや授乳で何度も起きなければならない奥さんの大変さが解らないかもしれません。
奥さんに対するねぎらいやいたわりの気持ちが、生まれるでしょうか。この子は、二人の間の子どもなのです。
又、家族の声やTVの音などがうるさく勉強に集中できないからと静かな個室を子どもに与えようと考える親も多くいます。その部屋で本当に集中して勉強しているのでしょうか。親が期待している使い方と実際とでは、違いがあるでしょう。
実生活を見れば、授業中でもテスト中でも、又社会に出て仕事をする場面でも自分に都合の良い静けさなどないのです。多少の雑音の中でも集中できる人になるという事が大事ではないかと思います。
子ども部屋は、勉強の為というよりも、「自分の物の管理能力や整理整頓力をやしなう場」、又「自分の時間を持つ心の癒しの空間」、という目的で考えるのがよいと思います。
住まいはワンルームマンションの集まりではないのです。同じ家の中に気配を感じられない家族がいたり、その家族に対して関心がなかったりするという事は、おかしな状況だと思います。子どもの空間は、家全体 → 子どものスペース、コーナー → 子ども部屋 というように、子どもの成長と共にその子にあった変化をさせていってほしいと思います。その時は是非、夫婦で、親子で部屋の使い方などをテーマに話をして、家族間のコミュニケーションを深めていって下さい。
●部屋どうしの動線の工夫で、子どもの孤立化を防ぐ。
例えば、玄関からすぐ個室に入ってしまうのではなく、一度居間を通ってから各部屋に入ると いう動線を意識します。
来客中でも煩わされることなく生活できるという理由で、玄関・個室・ 浴室などが居間と交差しない平面プランもよく目にしますが、子どもがお客様に挨拶することや、 友達を連れてきた時に、その友達が家族に挨拶してから子どもの部屋にはいるなど、大人になっ てしまうと「そんな些細なこと」と思うかもしれませんが、私は幼少の時からの生活の積み重ね が子どもの成長過程とし・ト、とても大切なことだと思います。
「お母さんと一緒に○○○をした」という満足感で、子どもの心は安定します。
そうすると、 次に一人遊びにも集中することが出来るので、お母さんも自分の好きな本を読んだり、何か趣味 の時間にしたりすることが出来ます。
満足感を抱けないと、子どもはぐずぐず、べたべたとまとわり付き、結局「あーあ、今日も自 分の時間をとれずに終わったなー。」という事になってしまいがちです。その繰り返しが、育児 ストレスを生むのではないかと思います。
無駄なストレスを作らないように、家づくりで解決できることは、どんどん取り入れましょう。
気を付けていただきたいのは、家の造りが全てではないという事です。大切なのは、そこで暮らす家族のあり方です。今住んでいる家が、もし閉鎖性の高い間取りなら、生活の仕方で工夫し、家族の中で孤独を感じたり、無関心が生じたりしないような暮らし方をしていって下さい。
家族みんなが、『ほっとする』ような暮らしがしたいものです。